正直サターン版「セガ・ツーリングカー・チャンピオンシップ」はあまりに未プレイユーザーによる不当な評価が蔓延しすぎていると思う

正直移植決定から楽しみにしていて発売日に今はなき祖母にクリスマスプレゼント(先送り)として購入してもらったタイトルですし、今でも大好きなのでサターン版「セガ・ツーリングカー・チャンピオンシップ」が不当評価を受けているのが耐えられなくなってきました。「セガラリー」「デイトナUSA Circuit Edition」と比較して確かにグラフィック面での劣化は目立ったものの、移植にはオリジナル(=アーケード版)を開発したAM3研(後のセガ・ロッソ。頭文字D Arcade Stage等を開発)も関わっており、雑誌などで開発の経緯もリアルタイムで追っていたので本作は間違ってもクソゲーではありません。

具体的に行ってしまえばゲームカタログ(クドわふも悪意のある方向で記事を書いています。読み物として面白い記事が多いのは事実なのですが、複数人が編集している関係でまれに「?」と思える評価の作品が見受けられたりします)だったり、全然関係ない海原雄山をサムネに使っているYouTube動画だったりするのですが・・・

そもそも1997年作品で性能向上したModel 2 C基板の作品である

STCC

セガのModel2、Model3基板には出荷時期によってリビジョン違いが存在しており、スペックアップが施されています。サターンに移植された「デイトナUSA」、「セガラリー・チャンピオンシップ」、ジャンルは違いますが「バーチャファイター2」は初期のModel 2基板を使用していましたが、1996年に稼働したセガ・ツーリングカー・チャンピオンシップ(STCC)の基板は最後に登場したModel 2 C基板です。CPU周りの仕様は変わっていないものの、VRAMは増量しておりよりスペックアップした基板の作品を3D処理に弱いと言われていたサターンに移植するのですからそりゃ処理落ちなども発生しようものです。ただ実機プレイでも致命的に感じるような処理落ちはリアルタイムでも感じませんでしたし、正直ゲームカタログなどクソゲーよりに評価しているサイトの記事は「盛っている」と思います。そもそも「デイトナ」「セガラリー」も完全移植ではありませんでしたし、今の感覚で完全移植を前提にしているなら時代を考えろというのが正直な感想です。

なおよりスペックが高いPC版では当然処理落ち問題も改善しています。Windows 9x向けタイトルですがNT系OS(Direct X 3.0までしかサポートしていないNT 4.0は無理。2000、XP、Vista、7、8.x、10、11)では問題なく動くので中古で入手できるならそちらをおすすめする・・・というのは同意見です。そもそもサターン実機揃えるのもちょっと面倒になってきてるしね・・・

初心者お断りの挙動=プレイしたか?

アーケード版「セガ・ツーリングカー・チャンピオンシップ」は実在したDTM、ITCを題材にしたタイトルだったということもあり、正直初心者お断りな部分が多かったのは事実です。同時期に稼働したスカッドレースもそうだったけど・・

「リッジレーサー」「デイトナUSA」は派手にタイヤを滑らせるスタイルだったのですが、STCCではグリップ走行に徹する必要があり、微妙なハンドリングワークも必要とされたことから正直言えば未だにかのあゆはアーケード版でエクストララウンドのアーバン・サーキットまで行ったことがありません。それくらい難しいタイトルだったのは事実。

ただし「ゲームカタログ」では初心者お断りの挙動はそのまま・・・と書いているのですが、これは嘘です。アーケードを移植した「アーケードサイド」では確かにそうなのですが、移植版で実装された「サターンサイド(PCサイド)」ではドオーバーステアよりだったFR車(メルセデスベンツ・Cクラス DTM/トヨタ・スープラ/SEGA Racing Proto)の挙動がものすごくマイルドになり、操作しやすくなっています。逆に「初心者向け」扱いされており実際そうだった4WD車(アルファロメオ 155 V6 Ti/オペル・カリブラ)はドアンダーよりになったので乗りづらくなった感はあるのですが・・・この記述が全くないあたり、「あぁ、これ書いた人は当時リアルタイムでプレイしたんじゃなく動画サイトのプレイ動画で「やったつもりになってる」人なんだろうなぁ・・・」と思ってしまったりします。

タイミングがアレすぎた

サターン版STCCと同時期に競合機だったプレイステーションでリリースされたのがPS5世代で「7」がリリースされるほどロングランタイトルになった初代「グランツーリスモ」です。元々サターンより3D処理が強いハードでのリリースだった上に挙動のリアル感などもあって正直比較されてしまったのはあまりにも運が悪かったかな・・・と思っています。かのあゆも東京モーターショーで展示されていたデモ版をプレイしたとき小学生ながら衝撃を受けたし・・・

とはいえ「GT」はリアルシム路線のゲームで、「STCC」は1プレイ1~200円でプレイすることが前提のアーケードからの移植なのでそもそも比較すること自体が無意味だと当時から思ってました。実際どっちも楽しかったしね・・・

「STCC」がクソゲーという評価を最初に見かけたのは2chのスレをまとめた本かなにか(2000年頃)が最初だったのですが、当時のサターンファン、サターンマガジンの読者レビューでもそこまで否定的なレビューは見受けられなかった記憶がありますし、実機環境を揃えるのが比較的難しくなってきた中、YouTubeやニコニコ動画で上がっているプレイ動画「だけ」を見てクソゲーと評価している人が多くなっているのでは・・・というのが正直な感想だったりします。まぁかのあゆより若い世代の人が多くなってきており、サターン実機をプレイ出来る環境も少なくなっているのでこの点は仕方ないと言えばそうなのですが、正直「ゲームカタログ」や某YouTube動画で不当に叩かれているのは本当にいろいろと思うことがあります。前々からこの記事書きたかったんですけどようやく公開することができました・・・

なお本当に救いようがないクソ移植というのであればジャレコの「GT24h」は擁護しようがありません。そもそもアーケードを移植すること自体放棄してるし・・・

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