国内ガジェットメディアでも取り上げられている超小型PC「Hand386」。搭載しているCPUがRTM版で動作環境から外された(=一応動くは動く)i386互換品というのもいろいろアレで、誰に向けている製品なのかわからないというのが正直な感想。ちなみに製品版Windows 95の最低動作要件は以下の通りです(Microsoftの最低動作要件は本当に「動く」だけのものです。さらに言えばInternet Explorer 4.0/4.01以降でシェル統合を行うと後継バージョンのWindows 98と同等のスペックを要求されます)。
CPU:i486SX以上
RAM:8MB
ハードディスク:40MB(OSのコアコンポーネントのみをインストールする“最小セットアップ”オプション選択時)
ストレージはコンパクトフラッシュ(1GB)なので、フロッピーディスクドライブとCD-ROMドライブを備える当時の実機経由(あるいはUSB FDDドライブ + qemuなどの仮想環境)でOSをインストールする形になると思いますが・・・386SXだとWindows 95は動作が厳しいのでどちらかと言えばDOSベースで使うのがメインになるかなぁと。ハードの仕様としては92〜3年頃よく見られた構成ですし、コンセプトとしては面白いとは思います。
AliExpressの説明だとOS自体は別途準備する必要がありそうです。Windows 95をアバンダンウェアと勝手に判断してシステムイメージごと提供しているアレなソフトが未だに配布されてるですが、一応Microsoftは著作権を放棄したわけではありませんし、公式でインストールイメージを無償提供しているわけではないのでインストールメディアはオークションなり中古ショップなりで探してくることをおすすめします・・・(DOSならオープンソースのFreeDOSがあるのでそちらをMS-DOS/PC-DOSの代わりに出来ます)
動かすのであればMS-DOSかGUI環境として動いていた頃のWindows 3.xがおすすめですが、どうしてもWindows 95を動かしたいのであれば初期バージョン/Service Pack 1(4.00.950/4.00.950a)かIE3が含まれているOSR2.0/2.1(4.00.950b)がおすすめです。間違ってもIE4をシェル統合すると地獄のような重さになりますし、最終バージョンのOSR2.5(4.00.950c)はWindows 98にちかい内容になっているので386ベースのシステムで動かすのはいろいろと厳しいと思います・・・
なお販売価格は3万程度ですが、これを執筆している2023年5月17日時点では残念ながら販売終了になっています。(再入荷するかどうかも不明)
関連リンク
Hand386:AliExpress
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