諸事情でIntel CPUオンリー時代の旧macOSのインストールメディアを作成する必要があったのですが、結果としてApple Silicon搭載機では基本的に不可能という結論に達したのでまとめたいと思います。何か手段があればコメントなどで教えていただければ幸いです。
2008年モデル以降のMacではネットワーク経由でOSをリストアできるインターネットリカバリに対応したため、それ以前のモデルに付属していたリカバリメディアは付属しなくなりました(そもそも存在すらしない)。
Macのネットリカバリは本当に優秀で、元々インストールされていたバージョン、工場出荷時にインストールされていたバージョン(イメージが存在しない場合工場出荷時に“近い”旧バージョン)、サポートされている最新バージョンのいずれを選択出来るようになっています。
また選択できないバージョンはインターネット経由でのリカバリは行えませんが、App Store、またはAppleのWEBサーバーから無料でダウンロードできるのでインストールUSBを作成してクリーンインストールすることが可能です。配布されているのはスティーブ・ジョブズ氏が生前“Back To The Mac”イベントで発表した最後のバージョンとなるMac OS X 10.7 Lionから現時点での最新バージョン、macOS 14 Venturaまで、開発者アカウントを持っているか、Apple Beta Programに参加していれば今秋リリースされる予定の次期バージョン、macOS Sonomaのベータ版もダウンロードできます。Lion、Mountain Lionまではまだ有料OSだったので数年前までは約3,000円程度で販売されていたのですが、昨年あたりから(とうの昔にサポート切れになっているOSということもあってか)無料でダウンロードできるようになっています。初めてIntel CPUを公式サポートしたMac OS X 10.4 Tiger、Mac OS X 10.5 Leopard、Mac OS X Snow Leopardはありませんが、この世代のモデルはリカバリメディアが付属していましたし、どうしてもほしいのであれば家電のケンちゃん(オールドMacや古いゲーム機を取り扱っているお店です)などの実店舗やヤフオク、ラクマあたりをさがせば容易に見つかると思います。
勝手にアバンダンウェア扱いにして旧Mac OS Xを配布しているサイトもありますが、サポートが終了したバージョンでもAppleが著作権を有していることには変わりないので違法ですし、そもそもインストールイメージに何か仕込まれてる可能性もあるので絶対にダウンロードしてはいけません。
Intel CPUを搭載しているMacであればApp Storeより最新バージョン(Sonoma Beta含む)のOSを導入している状態でもHigh Sieera以降のバージョンをダウンロードできます。Lion〜SierraはApp Storeの商品ページが消滅していますが、Apple公式サーバーより直接dmgファイルをダウンロード可能です。
macOS をダウンロードしてインストールする方法:Apple
Apple Silicon(M1/M2)搭載Macの場合、Big Sur以降のバージョンであれば通常通りApp Storeからダウンロードできます。ただしCatalina以前のバージョンは商品ページにアクセスできるのですが、「このMacはサポートされていない」と表示されてダウンロードすることが出来ません。この場合フリーソフト「Mist」を使用すればインストールイメージ「は」入手できます。
今回インストールUSBを作成したかったのはmacOS 10.14 Mojave。すでにセキュリティアップデートの配信やMicrosoft Office for Mac/Microsoft 365のサポートも終了していますが、32bitアプリを起動できる最後のバージョンなのでいまでもそれなりに需要があるようです(アプリによっては開発終了などの理由で64bitに移行しなかったものもあるので・・・)
作業したのは土曜日に乗り換えたApple M1搭載MacBook Air(macOS Sonoma Developer Beta 4環境)で、インストールイメージは「Mist」で無事ダウンロードできたので後はターミナルでコマンドを叩くか、「Disk Drill」を使ってUSBメディアにイメージを書き込んでしまえば今回の作業は終了・・・だったのですが、結論を言えばApple Silicon搭載MacではCatalina以前のインストールUSBを作成することは出来ないようです。
公式ではターミナルで「CreateInstallMedia」コマンドを叩いてインストールUSBを作成するのですが、どうもmacOSに標準で用意されている内部コマンドでなく、Mac OS X/OSX/macOSのインストールパッケージ内に含まれているコマンドを実行しているようでこれをApple Silicon搭載Macでは実行することが出来ません。メンテナンスツールのDisk Drillで利用できるインストールUSB作成機能もCreateInstallMediaのフロントエンドなので結局Catarina以前のインストールUSBを作成するのであればIntel Mac環境で直接行った方が早いようです。とりあえずMojaveのインストールUSBはまだ手元に残っているMacBook Proで帰宅後に作成することにしました・・・
ちなみにBig Sur以降のバージョンはインストールイメージにIntel、Apple Silicon両方のデータが収録されているのでどちらのMacでもインストールメディアの作成、作成したインストールメディアを使用したOSのクリーンインストールを行えます。
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