macOS 14 Sonomaが一般公開されたことに伴い、WindowsゲームをApple Silicon版macOSに移植するための支援ツール、「Game porting toolkit」も正式版となるv1.0がリリースされています。開発者登録している方は無料でダウンロードできます。
Macは昔からPCゲームにはそこまで力を入れていない印象があり、いわゆる「AAA」クラスのタイトルはほぼWindowsでリリースされる場合がほとんどでしたが、2020年にIntel CPUからARMに移行してからはゲーム定額配信サービス「Apple Arcade」をサービス開始し、2021年6月に開催されたWWDC 2021ではカプコンの伊集院 勝さんを呼んで「バイオハザード ヴィレッジ」のMac版のリリースをアナウンスするなど、いよいよ本格的にMacでもPCゲーミングに本腰を入れてきた印象を受けます。
Game porting toolkit自体はオープンソースで開発されているWindows互換レイヤー、Wineがベースになっていて、Windows向けのグラフィックAPIであるDirectX 12をmacOSに実装されているMetal3にリアルタイムに変換する機能などが独自に追加されています。
あくまで移植を支援するためのツールキットなので一般ユーザーがこれを使ってWindows向けゲームをプレイすることは全く想定していないのですが、それでも一部のタイトルはそのままの状態で十分プレイ可能とのことです。
すでに前述した「バイオハザード ヴィレッジ」のほか、「デスストランディング」の移植も決定しています。バイオに関してはiPadやiPhone 15/15 Proでもネイティブで動くようになるなど、本当にすごい時代になりました・・・
Apple Silicon版macOS 14 Sonomaではゲームプレイ中にCPUやGPUのリソースを最適化する「ゲームモード」が実装されるなど、本格的にMacでもAAAクラスのゲームをプレイするための環境が整いつつあります。Game porting toolkitのおかげでマルチプラットフォーム対応も楽になったので今後Windowsだけでなく、Macにも対応するゲームが増えてくるかも知れません。本格的にマカーになったこともあって期待しています。
なおエロゲに関してはおそらく今後もMacがメインターゲットになることはなさそうですが、Android/iOS含めプレイする手段はいくつか用意されているので別記事で取り上げる予定です。
※Game porting toolkitは開発者登録だけ済ませていれば一般ユーザーでも無料ダウンロードできますが、実行するには
Apple M1以降のSoC
16GB以上のユニファイドメモリ
が必須となります。Game Porting ToolKitではターミナルでのコマンド入力が必須になり、CUIベースのOSを全く触ったことがない方だと分かりづらいかも知れないので普通にWindowsゲームをApple Silicon対応Macで楽しみたいのであれば市販ソフトになりますがGame porting toolkitと同じくWineをベースにしているCrossOver Macの購入がおすすめです。こちらもDirectX 12のサポートが追加され、Diablo IVやストリートファイターVといったタイトルがプレイ可能です(もちろんエロゲもプレイできます)。
Windows互換環境に金なんて払いたくねぇよ!という方はWhiskeyをどうぞ。こちらもDirectX 12のサポートが追加されています。無論プレイしたいゲームは購入する必要があります。
関連リング
Game porting toolkit 1.0(※要開発者アカウント):Apple Developer
CrossOver:Codewavers
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