Mortal Kombat 1(PC版、日本未発売)レビュー ー 格闘ゲームとしてより完成された作品に。新しいキャラ設定で3度リスタートすることになった新ストーリーも注目

そろそろ日本で出すべき GPD Win 3

そろそろ日本で出すべき
日本ではあいかわらず未発売のシリーズ最新作、「Mortal Kombat 1」製品版のレビューです。ストーリーとしては前作「Mortal Kombat 11 Aftermass」からの続きで、新たな神(Fire God)となった主人公、リュウ・カンが歴史の改変を目論むクロニカと自分の意のままを構築しようとしたシャン・ツンを撃破した後の話となりますが、実はAftermassのバッドエンド(シャン・ツンがリュウ・カンを殺害し、自分の意のままの世界を作り上げるという内容)も別時間枠として存在しているので、元のシャン・ツン(“タイタン“シャン・ツン)や前作までの時間枠通りのキャラも新たな時間枠のキャラとは別に登場します。なお既にお伝えしたとおり、Intel Xe Graphics環境にて現在テクスチャー表示がおかしくなる不具合が発生しているため、一部スクリーンショットでお見苦しくなってしまっているものがあります。ご了承ください。

というかストーリーモード、ラダーモード(いわゆるアーケードモード)ともにラスボスは元の時間枠のシャン・ツンとクァン・チーです。あれこれMKDAだったっけ・・・3回目のリブートとなりますが後述する通り基本的にはキャラ設定が大幅に変わっているので以前のシリーズをプレイしなくても楽しめると思います。

リュウ・カンが新たに構築した時間枠では基本的に善サイトだった人物はそのまま、敵サイドだった人間は新たな設定が与えられた上で善サイドにキャラ設定が変更されていますが、シャン・ツン(MK11までのツンとは当然別人)やクァン・チーのようにリュウ・カンが再構築しても変われなかったキャラも何人か存在します、役職が「皇帝」から「大佐」に降格したけど尊大すぎる性格はそのままなので逆に痛いオッサンになってしまったジェネラル・シャオさん(無論悪サイトのまま)とか・・・

善・ツン
ただし彼らも善人化した時間枠が存在し、ストーリーモードで最後に選択するキャラとして善サイドのシャン・ツンも登場します。「あなたは寛大すぎるんですよ・・・リュウ・カン様・・・終わりにしましょう!」なんていってくるツンはキモすぎて引く。

タルカットの発病がなければふつうにべっぴんさんかついい子に
元の時間枠では妹とされていたものの、実はシャオ・カーンに造られたキタナのクローンという設定だったミレーナはキタナの実姉かつ次期エデニア王女という立場になり、口が裂けているのはタルカタン一族の遺伝子をクローニングするときに使用したから・・・ではなく、「タルカット」という病にかかった結果でさらにそのせいで注射を打たないと本人の意思とは無関係に暴走してしまうという非常に重い設定に変更されました(タルカタン族のバラカさんも同様、彼も今作では善サイドのキャラに設定変更されていて、今までのイメージを覆すほど誇り高く、かっこいい漢になっているので注目です・・・あいかわらずハゲだけど・・・)

久々に見た善デルさん
MK9で「シャオ・カーンに洗脳された」という設定がなくなった結果、元々悪女だったという設定に改悪されたシンデルさんはMK1〜MKAまでの「エデニア国民と今は亡き夫のジェロット王、(今作では2人の)娘を愛する良母」という設定に戻りました。

中の人はMKXからおなじみJameson PriceさんMK 2009以降ラウンドコールも担当されているお方で、アッーーーマックさんとジェロット王でちゃんと声も使い分けててやっぱり声優さんってすごいや!と思った
またその夫・・・ジェロット王もアッーーー!マックさんに実は魂が吸収されていた設定を生かして復活しています。シンデルさんは元の時間枠における自分自身(MK9〜Xの“悪女“シンデル)に殺されてしまいますが・・・

前作のラスボス、クロニカも一応登場・・・はしているのですが、彼女自身はMK11で消滅しているため別人で、その正体は“タイタン”シャン・ツンが変身した姿です。中の人が前作のジェニファー・ヘイル氏ではなくなっていますがそもそもクロニカ本人ではないので・・・

どっちにしても敵対する運命にある
シリーズ通しての人気キャラ、サブ・ゼロとスコーピオンも新しい時間枠では立場が変わっている・・いうか、そもそも元の時間枠とは別人で、サブ・ゼロは初代「MK」に登場した兄、ビ・ハンで新しい時間枠で殺されることなくそのままサブ・ゼロと名乗っているのですが、スコーピオンはなんと2代目サブ・ゼロこと弟のカイ・リャンがその名を名乗っています。じゃあ本来の時間枠におけるスコーピオン・・・もとい、ハンゾウ・ハサシさんはどうなったのかというとこの時間枠でもちゃんと存在している上に後述するカメオファイターとして元の時間枠のサブ・ゼロ(カイ・リャン)とスコーピオン(ハンゾウ・ハサシ)も登場するのでややこしいことに・・・ちなみに今作のサブ・ゼロは中身が元の時間枠ではヌーブ・サイボットを名乗るカイ・リャンなので悪サイド側に寝返ります。酷い。

結局新たな時間枠でもシャン・ツンとクァン・チーによる「デッドリー・アライアンス」が結成されてしまい、「アルマゲドン」が再現されてしまいますが、そこに“タイタン”版のシャン・ツンとクァン・チーが現れて・・・

何度リブートしても結局歴史は繰り返してしまうのはある程度予想通りではありましたが、新たな設定に変更されたキャラは新鮮ですし、今回も濃厚なストーリーなので本当に日本語音声・・・どころか字幕すらないのが悔やまれるところです・・・幸いニコニコ動画やYouTubeで日本語字幕をつけてくださっている有志の方がいるので英語力がなくてもその濃厚なストーリーを楽しめる手段が存在するのが救いですが・・・

グラフィック化けさえなければ…
ゲームエンジンはUnreal Engine 3。2011年の「Mortal Kombat(2009)」から使いまわしているためいいかげんUnreal Engine 4か別エンジンに移行してもいいのでは・・・とは思うのですが、グラフィック自体は前作よりもさらに美しくなっています。ただしその分PC版のシステム要件も上がっています。ろぎーーー!えらいっ!や日本での発売がほぼ確定しているれぎーーー!おん ごー!、わんみふらいといったAMD Ryzen搭載機では問題なくプレイできますが、2021年〜2022 年ごろに販売されていた第11世代Core i5/i7搭載機ではIris Xe Graphicsとの互換性の問題によりテクスチャが化ける不具合が発生するので注意が必要です。

ゲーム自体も今回発表から発売までのスパンが短かったせいかストーリーモードでデバック中のままリリースしてしまったと思われるおかしい字幕が表示されるなど変な不具合が存在しているのは残念ですが、ゲームシステム自体は完成度が高い「MK 2009〜MK11」のものがベースになっているほか、KOF 99〜2001で採用されていた「ストライカーシステム」によく似た「カメオファイターシステム」が新たに追加されました。選択できるキャラは前述の(元時間枠の)サブ・ゼロ、スコーピオンや今後DLCでプレイヤーキャラとしても使用できる予定のクァン・チーのほか、シュジンコウ(シュジンコと訳しているサイトもあり。名前の由来は見た通り“主人公”)やサリーナ、ダリウス(CV平田のアウディ ル・マン クアトロ乗りではない)といった過去作の人気キャラも登場。

「ストリートファイター6」のようなシンプルモードこそありませんが、元々初代MKからコマンド体系はシンプルなままですし、難易度をベリーイージーにすれば初心者でも楽にストーリーやラダーモードを楽しめるだけでなく、ハードモードに設定すれば手応えのあるバトルが楽しめるのでゴア表現を許容できるのであれば格闘ゲームとしての完成度はかつての2D時代とは別物・・・というかそもそもeスポーツ大会(EVOなど)でも正式採用されているほどまで進化しているので日本国内では残念ながらプレイする手段が限られてしまいますが、グロい色物格ゲーと毛嫌いせずぜひ一度プレイして欲しいタイトルです。

・・・ちなみにスマホ向けRPGとして「Mortal Kombat Onslaught」がまもなくAndroid、iOS/iPad OS向けにリリースされるのですが、こちらはCEROレーティングを通す必要がないこともあって日本でもちゃんとローカライズされた上で配信される予定です。ゴア表現を抜いてでも出して欲しいとはいつも思っているのですが、逆に言えばそれを抜いてしまうシリーズ最大の魅力を失ってしまうのも事実なので今後もPC版、コンシューマー版が再びローカライズされた上で販売される可能性は限りなく少ないのですが、モバイル版なら日本語字幕で楽しめるので気になる方はこちらもぜひ。

関連リンク

Mortal Kombat 1:公式サイト

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